コラム

【安田昌夫解説】ユーザー体験の基礎知識と改善のポイント

ネットの普及に伴い、購買者はスマホやタブレットなど多様なデバイスで好きな商品を買えるようになりました。
ユーザー体験は、EC事業の利益アップや顧客満足度を高めるために欠かせないものです。
しかし中には「ユーザー体験の意味が分からない」「ECサイトに盛り込む方法を知らない」という方もいるでしょう。
ユーザー体験のポイントしっかり押さえておけば、利用者は使いやすくなり、商品の売上げ増加が期待できます。
そこで今回は、ユーザー体験の基礎知識と改善する際のポイントについてご紹介します。

 

ユーザー体験とは

ユーザー体験とは、製品やサービスを通じて得られる体験の総称で、別名「ユーザーエクスペリエンス(UX)」とも呼ばれます。
販売する製品やサービスの利用に関する様々な要素に関係するため、購買そのものだけでなく、購買前のプロセスも含まれます。
具体的には動画の処理速度や検索のしやすさなど、利用者がサービスで得るあらゆる体験です。
ユーザー体験では、利用者にとっての使い勝手や利用のしやすさ、感動などの概念も重視されます。

 

なぜ重要なのか?ユーザー体験の必要性

商品を販売する営業やマーケティング活動では、ユーザー体験に重要性が高まってきています。
ここでは、ユーザー体験が重要視される理由と必要性について説明します。

使いやすさや分かりやすさを重視する傾向

時代の変化に合わせて、人々はあらゆる場所・方法で商品を買えるようになりました。
ネットに限らず、今は多数の店舗が存在しているため、人々は好きなお店で商品を購入できます。
しかし、逆に店舗が多すぎて「何を基準に選んだらいいのか分からない」という人も出てきています。
その「商品を買う」基準として、使いやすさや分かりやすさが重視されているのです。
同じ商品で価格も同等なのであれば、より操作がしやすく、簡単に商品を購入できるサイトを選ぶ傾向にあります。

各種デバイスの普及

スマートフォンやタブレットなど各種デバイスの普及も、ユーザー体験が重視されだしたことに関係しています。
多様なモバイルでユーザーが商品を買えるようになったことで、事業者はあらゆるシーンや環境を想定して、購買までのプロセスを作っておく必要が出てきました。
ネットショップでは、単に商品を販売しているというだけでなく、利用者が期待する以上の体験価値が要求されます。

売上アップ

ECサイトの売上に影響するのは、集客数・転換率・客単価の3つです。
ユーザー体験はこの中の転換率に関係してくるもので、特に「サイト内検索」は重要な位置付けとなっています。
裏を返せば、サイト内検索などの体験価値を向上させることで、売上アップが見込めるということです。
ユーザー体験を重視してサイトを構築していけば、競合他社との差別化が図れますし、利用者の増加も期待できるでしょう。

 

ユーザー体験を改善する際のポイント

安定的に売り上げを確保していくには、ユーザーの体験価値をいかに上げるかが大切です。
以下では、ECサイトのユーザー体験価値を改善する際のポイントをまとめました。

高速でのデータ処理

ECサイトで商品を探すための検索窓は、サクサクと処理できる必要があります。
たとえば、ネットで希望の商品を探す時に、検索時間が長すぎたり、サイトが重かったりして離脱した経験はないでしょうか?
データの処理速度が遅い場合、ユーザーはがっかりしまい、別のサイトへと行きやすくなります。
改善策としては、SaaS型の検索システムを導入したり、サジェスト機能を追加したりする方法があるでしょう。
SaaS型システムは比較的コストをかけずに、高速処理を可能としてくれます。
サジェスト機能は、検索窓に文字を入れた時に関連する商品一覧情報を出して、スピーディに商品まで誘導したい時に有効です。

検索しやすい

欲しい商品を検索までに入力したのに該当の商品が出てこない場合、利用者はがっかり体験をすることになります。
同じ商品でも、ひらがなでは出てこないけれど、カタカナなら出てくる場合もあります。
利用者としては「探しやすさ」も重視しているので、例えひらがなからカタカナに変更すれば該当の商品が出てくるとしても、一度キーワードにマッチした商品がなければ、購入を諦めてしまう人もいるでしょう。
この体験の改善策としては、同義語やかな/カナ、全角/半角、英字などによる表記ゆれに対応した辞書登録しておくという方法があります。
前述のサジェスト機能を追加すれば誤入力を避けることができ、検索0件のがっかり体験も防げるでしょう。

選びやすい

キーワード検索によって商品結果が表示されても並び順が適当であれば、利用者は「選べない」と感じてしまいます。
たとえば、スマホ本体が欲しい時に「スマホ」で検索し、一番上に「スマホのアクセサリー」が優先表示されるといったことです。
そこに「スマホ本体」の商品ページが含まれていても、じっくり商品を探すのは手間がかかるため、ユーザーは「使い勝手が悪い」と感じて体験価値を下げてしまうでしょう。
改善策は検索時のヒット率でポイントを割り振り、優先度を設けることです。
ポイントが高い商品をトップに持ってくれば、ユーザーの体験価値も高くなります。

ユーザー体験を向上させるための4つの視点

ユーザー体験を重視したECサイトを構築するには、ユーザーから共感されるサイトにしなければなりません。
新しいサイトの構築・改善を図る場合には、次の4つのことを意識しましょう。

ペルソナの設定

初めに商品やサービスを利用してくれる人は、どんな人かペルソナを想定します。
ペルソナは出身地や年齢、性別、趣味などまで決めていき、あたかもその人物が実在するかのように具体的にします。
リアリティを持たせることで、その人が求める体験を考えやすくなるでしょう。

ユーザー体験の全体像を把握する

ペルソナを設定した後は、ユーザー体験の全体像を把握します。
商品やサービスを利用していない段階から、その人がどのような体験をしているのかを明確にしていく作業です。
一般的にはカスタマージャーニーマップを使用して、体験を可視化していきます。
作成時は「問題点を発見する」「体験価値を向上させる」など目的を決めておくことが大切です。
また可視化する時には、利用前から利用後まで全ての流れを網羅しておく必要があります。
ユーザーの体験を可視化することで、ユーザーが日々接しているサービスを把握しやすくなります。

ユーザー視点に立つ

ユーザーの気持ちを理解するために、自社サイトを自ら利用してみるのも良いでしょう。
商品やサービスの購買までのプロセスを行っていく中で、感じたことや良かったこと、不満などを全て記録していきます。
必要があればスタッフにも協力してもらって、ユーザーが感じていることを掘り起こしていきましょう。

テストで改善を積み重なる

ユーザー体験は、一度改善して終わりというものではありません。
マーケティング活動ではテストによりユーザーの動向を確かめて、細かく改善していくことが求められます。
最初は効果的であったユーザー体験であっても、時代の変化により廃れてくる場合もあるので、時間が経過した際は見直しが必要です。
コンバージョン率や滞在時間などのデータをもとに、改善を積み重ねていきましょう。

まとめ

今は様々なネットショップを選べて、買い物できる時代であるため、ECサイトに使いやすさや分かりやすさを求める人が増えてきました。
ユーザーの体験価値を向上させることで競合他社との差別化が図れるので、売上げアップも期待できるでしょう。
簡単に商品が検索できて注文しやすいサイトであれば、リピート率も高まります。
ユーザー体験を意識したECサイトで、利用したくなるサイトを目指してみてください。

 

コラム筆者

ECコンサルタント・アドバイザー
安田昌夫

  • 東京都出身1984生まれ
  • ECサイト運営歴10年で広告費をかけずに45万PVを達成
  • 適切な集客・広告運用のサポート・無駄な広告費をカットするためのアドバイスを得意とする
  • 月商1200万円突破

 

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